宅地等における税負担の調整措置について
更新日:2018年02月28日
宅地の負担調整措置についてご説明します。
負担水準によって税額が変わります!
非住宅用地の課税標準額は、最大で評価額の7割です。
宅地等の評価額は、平成6年度から全国一律に地価公示価格の7割を目安に適正化を図っています。その結果、全国平均で評価額は3.9倍となりました。
固定資産税は「課税標準額」×税率で計算されますが、原則は評価額×税率です。
その原則を反映させると税額が急激に上昇し、納税者の負担となることから、負担水準(本年度評価額に対する前年度課税標準額の割合)の高い土地は税負担を引き下げまたは据え置き、低い土地はなだらかに税負担を上昇させ、負担水準のばらつきの幅を狭めていく「負担調整措置」という方法をとっています。
平成18年度の税政改正からは課税標準額を評価額により近づけて、均衡化を一層促進する措置が講じられ、公平な課税を図っています。
負担水準は次の算式によって求められます。
負担水準=前年度課税標準額÷本年度評価額(×住宅用地特例率(6分の1または3分の1))
課税標準額の算出方法(負担水準によって算出方法が変わります)
まず、該当の宅地が住宅用地か、商業地等(住宅用地以外)かを判断します。
住宅用地については、別ページの「住宅用地に対する課税標準の特例について」で説明しておりますのでご覧ください。
区分 | 負担水準 | 課税標準額 |
---|---|---|
商業地等 | 70%超 | 本年度評価額の70% |
住宅用地 | 100%超 | 本年度評価額の100% |
区分 | 負担水準 | 課税標準額 |
---|---|---|
商業地等 | 60%以上70%以下 | 前年度の課税標準額に据え置き |
区分 | 負担水準 | 課税標準額 |
---|---|---|
商業地等 | 60%未満 | 前年度課税標準額に本年度評価額の5%を加えた額が課税標準額になります。その結果、当該額が60%を上回る場合は、60%相当額となり、評価額の20%を下回る場合は、20%相当額となります。 |
住宅用地 | 100%未満 | 前年度課税標準額に、本年度評価額の6分の1または3分の1(住宅用地特例率)を乗じて得た額(以下「本則課税標準額」という)の5%を加えた額が課税標準額になります。その結果、本則課税標準額の20%を下回る場合には20%相当額となります。 |
例 住宅用地の場合
土地の税負担が平成29年度なだらかに上昇、30年度は本則課税となる例
土地(家屋の敷地:120平方メートル)
この土地の評価額は以下のように毎年下落しています。
また、専用住宅(平成8年建築、木造2階建、床面積100平方メートル)が建っており、土地のすべてが小規模住宅用地の課税標準の特例措置(1/6)の適用を受けます。
平成28年度の課税標準額…4,500,000円
平成29年度の評価額…33,000,000円
平成30年度の評価額…28,000,000円
平成28年度から平成30年度までの税額
区分 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 |
---|---|---|---|
土地分の税額 | 63,000円 | 66,850円 (なだらかに上昇) |
65,324円 (本則課税) |
端数処理(100円未満切り捨て) | 63,000円 | 66,800円 | 65,300円 |
実際の税額は次のように計算されます。
(ア)平成28年度分
4,500,000円×1.4%=63,000円
(イ)平成29年度分
- 29年度の本来の課税標準額(評価額×1/6)を算出します
33,000,000円×1/6=5,500,000円 - 28年度の課税標準額を、本来の課税標準額と比較します。
4,500,000円/5,500,000円81.8%
- 2.の割合が100%に達していないので、28年度の課税標準額に本来の課税標準額の5%分を加えます。
4,500,000円+(5,500,000円×5%)=4,775,000円
29年度の課税標準額 - 29年度の固定資産税
4,775,000円×1.4%=66,850円 (平成28年度分より税額が上がっている)
(ウ)平成30年度分
- 30年度の本来の課税標準額(評価額×1/6)を算出します
28,000,000円×1/6=4,666,666円 - 29年度の課税標準額を、本来の課税標準額と比較します。
4,775,000円/4,666,666円102.3%
- 2.の割合が100%以上となるので、30年度の本来の課税標準額が30年度の課税標準額となります。
4,666,666円→4,666,000円(注意:千円未満切り捨て) - 30年度の固定資産税
4,666,000円×1.4%=65,324円 (平成29年度分より税額が下がっている)
(注意)課税標準額の端数処理は、実際にはすべての固定資産を合算した後の額によって行われます。
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