近世十村のくらしとしごと

秋季企画展「近世十村のくらしとしごと」
-旧十村家史料からみる羽咋の豪農たち-


「近世十村のくらしとしごと」チラシ

「十村」とは、江戸時代の加賀藩において、藩の改作奉行・郡奉行の指示を受けて、農村統治を担当した役職です。有力農民のなかから選ばれ、通常は数十カ村を一組として預かり、勧農、用水管理、訴願の詮議などを行いました。このため、組内の村々を巡回したり、毎月の十村寄合に出席したり、時には金沢算用場の十村詰所にも出役するなど、多忙な毎日を過ごしています。さらに徴税代官も兼務し、年貢徴収にもあたりました。農民の身分である十村に農民からの年貢を徴収させたことは、加賀藩の農村支配制度の特徴です。
現在の羽咋市域にも、本江村北村家、飯山村五郎八家など複数の十村がありました。なかでも羽咋村加藤家、柳田村櫻井家は、多くの古文書資料を残しており、十村の「しごと」や「くらし」、さらには当時の農村生活の実情を知る貴重な手がかりとなっています。
また、十村には文化芸術を好んで文人墨客らと交流し、新しい文化や知識を受け入れようとする者もありました。彼らが集めた書画などのコレクションは、当時の地方農村における文化交流を知る好資料でもあります。
羽咋の十村たちが残した資料から、江戸時代の羽咋のようすを知ってほしいと思います。

開催期間 令和2年10月24日(土曜日)~12月6日(日曜日) 会期中無休
時間 9時~17時(入館は16時30分まで)
会場 羽咋市歴史民俗資料館 2階展示室
展示品 桜井家文書(石川県指定文化財)
加藤家文書(羽咋市指定文化財)
山崎雲山筆山水図 ほか

 

更新日:2020年10月16日